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HOME > LPガス安全委員会について > 支援事業「ゆるやかな見守り活動」の紹介

LPガス安全委員会が支援する保安活動レポート

石川県エルピーガス協会

「ゆるやかな見守り活動」

一般社団法人 石川県エルピーガス協会ではLPガスの保安活動の一環として、「ゆるやかな見守り活動」「地域婦人団体防災・保安講習会」「県及び市・町主催防災訓練」を実施しています。中でも高齢者世帯に向けた「ゆるやかな見守り活動」には地元自治体も注目しており、各市町との「地域見守り協定」が順次締結されています。今回は、主婦連合会、全国地域婦人団体連絡協議会、石川県白山市女性協議会の代表の方々とともに現地を訪問。地域の期待を集める活動をレポートします。

「ゆるやかな見守り活動」とは

金沢市内の協会会議室で事業概要についてご説明いただきました。「ゆるやかな見守り活動」とは、「ひとり暮らし高齢者」と「高齢者のみ世帯」のお客様に対し、協会加盟の販売事業者がガス器具の安全点検などの通常業務の中で、お客様の日常生活や体調への気配りを行うものです。異変に気づいた場合は所在市町の福祉担当課等に連絡するなど、適切な対応に努めています。

「ゆるやかな見守り活動」とは 「ゆるやかな見守り活動」とは

この活動では、ガスコンロの点検はもちろん、電球を換えたり、灯油容器を移動したりといった日常生活に関する要望に応えることもあり、お客様からは「安心できる」「ガス以外のことも気遣ってもらってありがたい」という感想が寄せられています。世間話が長くなり一回の訪問で1〜2時間かかることありますが、事業者からは「お客様あっての仕事、継続したい」という声があがっています。「活動はあくまで通常業務の範囲内、しかし仕事の原点でもあります」と小新吉彦会長は言い切ります。ゆるやかな見守り活動を通して、お客様の信頼を高めていきたいと語りました。

この取組みは行政にも注目され、協会は現在6つの市と「地域見守り協定」を締結しています。さらに認知症による徘徊対策や振り込め詐欺被害等の防止に対する行政への協力も踏まえた内容の協定も締結されています。行政も、市民の台所にまで入ってコミュニケーションをとることができるLPガス事業者の活動に期待しています。

この活動に対し、主婦連合会 副会長 藤野珠枝様は、「今は個人情報の課題もありますが、行政との協定を結ぶことで安心感、信頼感が増しているのではないでしょうか。エンドユーザーと出会える、貴重な業界であると思います」と語りました。

また、全国地域婦人団体連絡協議会 事務局長 長田三紀様は、「ガスコンロのグリルが掃除されておらず火事になるケースがあるので、安全点検時にチェックしてもらいたいですね。他の事業者では、家の中まで入れません。顔を知っているから困ったときに相談もできます。全国に広げてほしい活動です」と期待を込めます。

さらに、白山市女性協議会 会長 柳 幸枝様は、「今後、ますます高齢者の一人暮らしの家庭が増えていくので、LPガス協会が行政と提携して、ゆるやかに見守りしている活動にとても感動をし、今後より大切な活動になると思いました。」と語りました。

実務を行う販売事業者、お客様のお宅を訪問

実際に見守り活動を行う、白山市の(株)水上商会を訪ねました。同社は昭和48年創業、LPガス事業の他に新築・リフォーム事業、上下水道工事等幅広く業務を行っています。近年はショールームを兼ねた「COTO×COTO(コトコト)」という新しい社屋をオープン。ガスの安全性や有用性を伝えながら料理教室などのイベントも開催し、地域の人々の交流の場も提供しています。COTO×COTOでは、協会加盟事業者への講習会も開催しています。業界の保安レベルの向上を他社との交流を通して高め合っています。

実務を行う販売事業者、お客様のお宅を訪問

「創業時は30代だったお客様が、いま70代です。水栓を見てほしいとか以前は自分で出来ていた電球の交換等というような生活上の要望が増えました。見守り活動に含まれる対応はこれまでも行っていましたが、改めて見守るという視点で見ると、認知症の進行や、歩行が気になる方もいました。親子同居でも昼間はお一人の方で、安全装置があっても危険と判断してガスを止めたこともあります」と水上商会の水上博司社長は振り返ります。

実務を行う販売事業者、お客様のお宅を訪問 実務を行う販売事業者、お客様のお宅を訪問

実際に水上商会の河本さんと、見守り活動の対象となるお客様の寺下様のお宅を訪問しました。「息子も気にかけてくれますが、近所からこうして家に来てくれるのは、嬉しいですよ」と寺下さん(写真左)。ガスコンロの買替えも検討中ですが、河本さんは来年でよいと率直に対応。笑いの絶えない会話に、「口が上手になったね!」と寺下さんの口元もほころびます。

また、お客様の宮下様(写真右)のお宅ではコンロは6年前に買い替え、グリルは不使用。使用状況を認識した上で安全点検をし、この日不在のご主人の体調もヒアリング。お話しした内容は「訪問票」に記録します。次回、トイレの調子と排水を見るため再訪問することになりました。ちなみに、宮下さんは水上商会の開くイベントで花のアレンジを展示するそうで、お客様と事業者の距離の近さを感じました。河本さんは「ジョークも織り交ぜながら明るく元気に訪問することを心がけています。来てくれてありがとうと言われると嬉しいですし、やりがいを感じます」と笑顔で語っていました。

「見守り活動では『年寄り扱いするな』と言われることもありますが伝え方が大切です」と水上社長は言います。ガスコンロの調子を聞くのと合わせて体調についてもさりげなく聞くなど、日常会話として行います。「見守り活動はとても有意義なこと。高齢化社会の今、業界でもっと意義が広がり、ますます重要な活動となっていくでしょう」と続けます。実際には事業者間で取り組み方に差はあるそうですが、活動を行った事業者からは「元気だと思っていたお客様が、よく見ると違っていた。この活動は続ける必要がある」といった声があがるそうです。協会としても各自治体との連携を一層強めてこの活動を深化していく方針です。

こうした活動を見て主婦連合会 副会長 藤野珠枝様は、「水上商会さんの『地域の皆さんと共にある企業でありたい』という姿勢がよく伝わって来て、あったかい気持ちになりました。ぜひ私の暮らすまちにもいてほしいです。」と感想を述べられました。

また、全国地域婦人団体連絡協議会 事務局長 長田三紀様は、「協会の取り組みの中で印象深かったのは、27年度の3190世帯のうち、ガス栓カバーの装着を1097世帯に実施したという報告でした。家の中に入ってこそわかるリスクが今回の活動で大幅に減少できている事は、大きな成果だと思いました。今後全国的に展開されることを希望します。また、水上商会様の見守り活動に同行させていただき、お客様と接しながら成長していく現場の大切さを実感しました。」と感想を述べられました。

さらに、白山市女性協議会 会長 柳 幸枝様は、「隣近所でも家の中まで入るのは難しいことです。一人暮らしの高齢者は多く、素敵な活動でうれしく思います。」と感想を述べられました。

LPガス安全委員会は、保安活動支援事業の一環として、一般社団法人 石川県エルピーガス協会が実施している「ゆるやかな見守り活動」を支援しています。

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