HOME > LPガス安全委員会について > 支援事業「シルバーサポート事業」の紹介
兵庫県LPガス協会では敬老の日を中心に、シルバーサポート事業という活動を行っています。それは地域のLPガス販売事業者が、ひとり住まいの老人宅などを訪問して、こんろ掃除などガス器具の安全を点検し、「何かお困りの事はありませんか?」と声をかけて、ガスに限らず日常生活のサポートを行うというものです。今年で15回目となる活動が始まった経緯や、現場のエピソードなどお話を伺いました。
最初は「LPガスバリアフリー運動」として、2000年(平成12年)に始まりました。高齢化の問題と、当時ガス器具による事故も重なり、ガス事故を未然に防ぐ施策が必要でした。訪問するお宅を65歳以上のひとり住まいのお宅、70歳以上の高齢者宅、体の不自由な方のお宅などを目安とし、約3万2000世帯を訪問対象としました。平成20年に「シルバーサポート事業」と名称変更し、ガスの安全点検、生活でお困りのことに対応するなど、当初から15年間続けています。
お話を伺った兵庫県LPガス協会、販売店の皆様。右から、協会専務理事・曽根孝さん、北野産業株式会社・武本昭彦さん、協会総務部長・岸本諭さん、同参事・藤原幸次さん
お客様に安心して点検を受けていただくため、各お宅に伺う販売員は、挨拶、身だしなみなどに特に注意しています。作業を終えて、「これで安全です、安心してガスを使ってください」とお伝えすると、「また来てね」と喜んでいただけます。中には持参・配布したタオルに、「こんな良いものもらって。買ったばかりのタオル掛けがあるから、ついでに取り付けて」というご依頼も(笑)。また、この活動はご本人だけでなく、遠方で暮らすご家族にも喜ばれています。
点検に伺うことを忘れられていたり、高齢者を狙った詐欺も多いため無料だとかえって不審がられることもあります。また、LPガス利用者数、販売店数の減少など、シルバーサポート事業の推進も以前より難しさが増してきました。とはいえ私たちにできることは、まだまだあります。あるお宅で声をかけても反応がないのに、戸口は開いてガスメーターが回っていたため、ご家族に連絡して中に入ったところ、鍋が空焚きになっていたことがありました。また、他のお宅で、いつも在宅の時間に返事がないので中を覗いたら、うめき声が聞こえトイレで倒れていたということもありました。
こんろ掃除などガス器具の安全点検は無料で行います。その他、暮らしの中でお困りのことをお聞きして、できるかぎり対応しています。
最近では、行政、新聞、牛乳配達、生協、LPガス販売事業者などが協力し、各家庭で異常を察知したら連絡を取り合う、兵庫県の「地域見守りネットワーク」にも参加しています。プライバシーの問題もあり、対応に難しい点も多くあります。とはいえ、LPガス容器の配送でお客様のお宅に入るというのは、他の業者にはできないことで、それが私たちの仕事です。何よりもお客様との信頼が大切であることを、新人販売員にも厳しく教えます。常に人と人のつながりを大切にし、多くの方に選ばれるエネルギーでありたい。それが私たちの願いです。
各家庭への配布物としてタオルをご用意し、毎年テーマを変えてパンフレットやチラシを付けています。今年は阪神淡路大震災から20年、地震発生から直後のLPガス対策をご紹介しています。