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HOME > LPガス安全委員会について > 支援事業「香川県善通寺市与北地区の自主防災訓練」の紹介

LPガス安全委員会が支援する保安活動レポート

香川県善通寺市与北地区の自主防災訓練

香川県LPガス協会はLPガス安全委員会の支援を活用し、毎年婦人団体と共に炊き出しなど防災訓練を行なっています。2025年12月には、善通寺市与北地区の自主防災訓練に協力しました。善通寺市は香川県の中央に位置、平坦な地形と温暖な気候に恵まれた場所です。災害は比較的少ないといいますが、慢心することなく、与北地区の婦人会では普段から炊き出しを行っているそうです。そしてこの日は年に一度の地域の子どもから大人まで、看護学校や消防団も参加する自主防災訓練の日。地域連携や共助の醸成にも繋がる1日をご紹介します。

総本山善通寺

善通寺市は弘法大師空海の故郷。写真は四国八十八箇所霊場の中心、総本山善通寺

善通寺市立与北小学校体育館

防災訓練のメイン会場、善通寺市立与北小学校体育館

小春日和の週末、会場の与北小学校体育館と隣接する公民館は、防災訓練に向けて朝から賑わっていました。公民館内の調理室は、婦人会の女性たちが炊き出しの準備で大忙し。事前に無洗米1合を入れておいた災害救援用炊飯袋(日本赤十字社のもの)に、調理室で水を足し、お昼前に炊けるよう整えています。この日のメニューはレトルトのカレーで、160食分が用意されていました。

婦人会会長の山根昭子さん(左)と婦人会の皆さん

婦人会会長の山根昭子さん(左)と婦人会の皆さん

炊き出しのほかに、参加者への配布物として防災ハンドブックと備蓄品が手配されていました。中身はアルファ米のご飯や長期保存ができる羊羹、記念品の無地の薄手のタオルなど、災害用持ち出し袋に入れておきたいものばかりです。婦人会会長の山根さんが数ヶ月前からセレクトし、準備したもの。山根さんは現役の看護師で、病院勤務の合間に婦人会会長の役目もこなされています。

参加者に配られた防災ハンドブックや備蓄品など

参加者に配られた防災ハンドブックや備蓄品など

シェイクアウトから防災訓練スタート

9時30分、先行して小学生のシェイクアウトが行われました。シェイクアウトとは、地震が発生した際「姿勢を低く」「頭を守って」「動かない」行動をとって身の安全を守るもの。防災の日など全国の自治体で行われています。この日与北小学校低学年の教室では、2人の生徒が体験しました。先生に見守られ、机の下でしばらくジッとしています。避難誘導のアナウンスが聞こえると、生徒たちは椅子の背に備え付けられた防災ずきんを被り、上級生と合流して防災訓練が行われる体育館へ移動しました。

シェイクアウトを体験する生徒たち

シェイクアウトを体験する生徒たち

体育館には地域の皆さんや看護専門学校の学生たちなど、関係者がすでに集合。子どもたちの到着を待って訓練開始式が始まりました。数名の方から開会の挨拶があり、善通寺市長からは防災訓練を通して共助の心を培おうという言葉がありました。

与北小学校体育館での訓練開始式

与北小学校体育館での訓練開始式

防災訓練が始まりました。香川看護専門学校の学生たちが指導役として皆さんに声をかけ、グループ毎に「応急担架の作り方、搬送の仕方」「骨折処置」の方法を、デモンストレーションと実践で伝えていきます。
「応急担架の作り方」では、2本の竹の棒と毛布を用意。毛布を横に敷いて中央に竹の棒を1本置き、その棒を中心に毛布を片方へ半分に折ります。2本目の竹の棒をまた中央に置き、さらに毛布を被せて折り重ね、1本目の竹の棒の位置まで毛布をかけて応急担架の出来上がりです。簡単で分かりやすく、看護専門学校の学生たちがやって見せると、見学者もすぐに実践できました。

また学生たちは毛布の代わりに、パーカの袖を竹の棒に通して担架にする方法も実演。竹の棒を持った人が棒の高さまで前傾し、その両側から棒を持つ人のパーカを脱がせ、棒に袖を通していくのを5人続けます。その様子はゲームのようで、楽しさと一緒に知見が広がりそうです。

やり方をすぐに覚えて自分でやってみる小学生たち

やり方をすぐに覚えて自分でやってみる小学生たち

棒を持つ人の上着を両側から脱がせ、棒に通して担架に

棒を持つ人の上着を両側から脱がせ、棒に通して担架に

「骨折処置」のコーナーでは、まず学生が「ちをさわらない」などと書いた紙を持ち、説明した後、ダンボールでの骨折の応急処置を披露。子どもたちも興味深そうに見学していました。

ダンボールの添え木に子どもたちも興味津々

ダンボールの添え木に子どもたちも興味津々

近隣の特別養護老人ホーム 白百合荘からも介護職員が参加していました。歩けない人を椅子に乗せて運ぶ方法、ジャージの上着を三角巾代わりに使う方法など現場の知恵を紹介。また、介助が必要な人に手で触れる時は、指先で触るより、手のひらの下の方から触れるようにすると、相手の安心感につながるそうです。プロのテクニックを聞き、実際に試してみて、皆さん納得の表情でした。

介護のプロのテクニックを大人も子どもも真剣に見学

介護のプロのテクニックを大人も子どもも真剣に見学

炊き出しを経験する大切さ

体育館の外では炊き出しのカレー作りが着々と進行。ガスで大釜に湯を沸かし、災害救援用炊飯袋のご飯を約40分かけて茹で上げます。そのご飯と温めたレトルトカレーをセットにして、防災訓練後に配布される予定です。

災害時用に考えられた食事を作り、そして食べるのも訓練の一つ。炊き出しにはチームワークと共助の意識が必要ではないでしょうか。普段は当たり前の温かい食事も、緊急時は貴重かもしれません。用意されたカレーからそんな気づきがあるかもしれません。

中核充填所の高橋石油、高橋さんも参加(左)。大鍋の貸し出しに協力

中核充填所の高橋石油、高橋さんも参加(左)。大鍋の貸し出しに協力

ご飯とカレーのセットを持つ香川県LPガス協会山﨑さん

ご飯とカレーのセットを持つ香川県LPガス協会山﨑さん

まろやかで食べやすいカレーでした

まろやかで食べやすいカレーでした

香川県LPガス協会の山﨑さんによると、香川県には、ご飯をお茶碗にとりそのご飯をビニール袋に移して渡す、「香川方式」と呼ばれるおにぎりの炊き出しがあるそうです。実際には受け取った人がビニール袋の上から自分で握るのですが、他人の手で作ったおにぎりは苦手という人も食べやすいように考案されました。ちょっとした工夫ですが、全員に食を届けるためには大切なことですね。婦人会にはこういったノウハウがあると山﨑さんは言います。

地域で行う防災訓練の意義

体育館内では「ガス、石油燃焼機器の安全・安心な使い方」に関する講演が、日本ガス石油機器工業会から行われました。ガスコンロの使用でヒヤッとした経験がある人は4人中3人もいること、室内飼いの犬や猫が事故を起こす可能性があること、IHの上でカセットコンロを使用してはいけないなどカセットコンロの注意点など、身近な視点から解説がありました。また「ガス燃焼機器に関するQ&A」など多数の資料も配布されました。

日本ガス石油機器工業会による講演

日本ガス石油機器工業会による講演

この日参加の香川看護専門学校は同じ善通寺市内にあります。約50名の学生さんたちは笑顔で地域の皆さんに応対し、会場は終始明るい雰囲気に包まれていました。

香川看護専門学校の皆さん

香川看護専門学校の皆さん

また体育館の外では、与北地区担当の善通寺市消防団第5分団の皆さんによる水消化活動も行われました。地域のためにと20代〜60代の方が参加されています。

善通寺市消防団第5分団の皆さん

善通寺市消防団第5分団の皆さん

午前中2時間半ほどをかけた防災訓練はお昼過ぎに終了。最後に婦人会の皆さんから炊き出しのカレーが配られました。参加者の皆さんは備蓄品などの配布物と一緒にお土産として持ち帰ります。

婦人会がカレーを配布して終了。おつかれさまでした

婦人会がカレーを配布して終了。おつかれさまでした

与北小学校は全校生徒10数名、この日参加した子どもも数名でした。地域の参加者の大半は年配の方々です。それでも会場に活気があったのは看護専門学校の学生たちの存在が大きく、多彩な関係者が集まって老若男女幅広い世代がいたことも功を奏していたのではないでしょうか。防災訓練全体を通して、さまざまな体験と学びが得られる構成も興味深く、他の地域の参考になりそうです。
このような防災訓練の取り組みや知見を、全国各地のLPガス協会から集約したら、日本の地域で役立つものになるのではないだろうかと想像が膨らみました。全国の地域防災訓練を支えるLPガス安全委員会だからこそ、できることかもしれません。

by 永田 知子(フリーライター)

LPガス安全委員会はLPガスの消費者に関する保安活動の一環として、各県のLPガス協会やLPガス関係団体が実施する保安活動を支援しています。

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