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HOME > LPガス安全委員会について > 支援事業「広島県地域女性団体連絡協議会 防災学習会」の紹介

LPガス安全委員会が支援する保安活動レポート

広島県地域女性団体連絡協議会

防災学習会

自然災害がかつてないほど幾度も列島を襲った2018年。3年前の水害が記憶に新しい広島県も、今夏の豪雨で再び大きな被害を受けました。どの地域もいつ何が起こるか分からない今、日頃からの防災意識と知識が重要です。被災した方も会員におられる広島県地域女性団体連絡協議会で開催された、防災学習会をレポートします。

防災における女性会の役割を考える

毎年行われる防災学習会。今回は7月に起こった豪雨被害の直後で、佐藤浩子会長は開会の言葉で「改めて地域の助け合いが大切。女性会が果たす役割を考えたい」と述べました。

広島県LPガス協会専務理事の宮崎栄二氏は講演で、知識と事前の準備、災害が起こった後どう対応するかが重要と解説。地域のハザードマップや避難場所までの距離を確認し、家庭のLPガスが十分に固定されているか販売店に相談してほしいと伝えました。

防災学習会の様子1

午前中は気象予報士で防災士、広島県自主防災アドバイザーの吉田英美氏が「平成30年7月豪雨から考えること」をテーマに登壇。広島県は日本で土砂災害が最多であり、避難所は複数候補を持つことを勧めました。また女性は近隣世帯の家族構成を把握している場合が多く、女性同士の悩みも共有でき、避難所で支え合えると説きました。家庭によって状況が異なる中、天気予報のどの段階で避難するのが適切か、など参加者とともに考察しました。

防災学習会の様子2

さらに、広島県の男女共同参画をすすめる会の井上佐智子会長は、平成30年豪雨に対する被災者支援について、避難所での性被害やプライバシー確保など10項目の要望書を県に提出したことを報告。避難所の運営に、女性の視点の必要であると訴えました。また広島県の環境政策課低炭素社会推進グループの福冨裕之氏が、地球温暖化による異常気象を報告し、将来の健康・生活被害を予測。県では温熱効果ガス低減のため“ひろしまエコチャレンジ”を推進しています。

防災学習会の様子3 防災学習会の様子4

平成30年7月豪雨災害を経験して

被害の大きかった三原市本郷船木女性会会長の今井邦子氏と、竹原市女性連絡協議会会長の竹下純子氏が、5ヶ月前に経験した被害について報告されました。

今井氏「6日朝から雨が降り続き、夜19時に集会所に灯りが付き、20時に緊急避難指示が出ました。指定の避難所は遠すぎて行けず、土手の上の集会所へ。道路は寸断されて、自宅は見えるが帰れない不安な日々でした。やっと帰宅すると、全てが浮いて落下し、泥水を被っていました。10日から町内会の方が、次にボランティアの方々が入ってくれました。若者の力で家の中が空っぽになり、工務店の方が来てくれた。8月半ば、やっと自宅の仮部屋で寝ることができましたが、虫が出て、異臭がし、そこら中で粉塵が舞いました。

被災者向けに食事の炊き出しなどありましたが、テレビも車もなく情報を得る手段がなかったので、取りに来いと言われても分かりませんでした。ただ支援センターなどへ行けば人に会うことができ、同じ思いを共有できました。未だ再建の道筋が見えない人も多いです。有識者会議の議論も、満足いくものではありませんでした。まだ心安らげる日は遠いですが、それでも、前へ一歩踏み出しています」

防災学習会の様子5

竹下氏「6日の深夜警察の方が危険だから避難をと。それまで裏山が崩れたことに気づきませんでした。外は土砂だらけで避難所の公民館まで行けず、近くの旅館へ。土砂は自宅手前で止まりましたが、隣家は一階全て土砂に飲み込まれ、流木が貫通していました。

東京、静岡など県外から毎日ボランティアの人が来て、お盆前には土砂を撤去。その後台風が来て大水になり、自宅にいるのは恐ろしく公民館へ避難しました。お墓が崩れ、元に戻すにはまず道路を整備せねばならず、重機を入れて3年かかると言われました。お墓は修復できてもお骨があるか不明です。5ヶ月経ちましたが手付かずの場所が多く、先が見えません。災害後、1ヶ月近く断水し、精神的にクタクタになりました。水が出た時は、涙が出るほど嬉しかったです。水の恐ろしさと同時に有り難さ、ボランティアへの感謝を感じています」

防災学習会の様子6

女性会で炊き出しのボランティア

東広島市女性連合会会長の弓場美代氏は、会員の女性たちと炊き出しのボランティアを行いました。東広島市に連絡すると、道の駅内にある台所が使用できるとのこと。材料を集め、道の駅でも買い物し、まず具沢山の味噌汁を作りました。

ですが、料理を届ける目的地までの道路が寸断。大回りして数時間をかけて着くと、待っていたのは多くがお年寄り。女性たちの手を握って「ありがとう、ありがとう」と何度も言われたそうです。味噌汁は何日ぶりだろうと。この日は味噌汁のほか、肉じゃが、トマト、梅干し、らっきょうなどを用意。マジックライスなどは何日も続けて食べられない、と弓場さん。その後また別の地域でも炊き出しを行いました。「女性には女性のできることがある。会員のみなさんが気持ちよく手伝ってくれたことが、とても嬉しかった」と笑顔でおっしゃいました。

防災学習会の様子7

広島県地域女性団体連絡協議会では、女性も扱いやすいFRP容器のガスボンベや炊き出しセットを使い、各市町村で女性会メンバーが炊き出しの練習を行っています。その他実務として、お年寄りの体を起き上がらせ、動かす方法、簡単な体操や三角巾の仕方なども練習。学習会ではパンフレットを元に、各自の家庭や地域がどのくらい防災対策ができているかを毎回チェックします。まさかの時に皆が対応できるよう、防災への意識と知識を持つ大切さを伝えています。

防災学習会パンフレット 婦人会・女性会の視点で高めよう!地域の防災力&災害時のライフラインとLPガスの活用を考える 防災学習会パンフレット 「婦人会・女性会の目で防災まちづくり」チェックシート
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LPガス安全委員会は、保安活動支援事業の一環として、広島県地域女性団体連絡協議会が実施している防災学習会を支援しています。

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